14.子供の発達に必要な基礎力をつける


U先生から学んだ「子供の発達にとって必要な基礎力」に基づき、手作りドリルを作成していきました。

この「基礎力」を勉強したことにより、子供の見方も変わり、発達段階、不足部分を知ることができ。また、TOY工房どんぐりの「療育おもちゃ」作りにも生かされました。

 

<子供の発達にとって必要な基礎力>

 

感覚運動遊び

ゆすったり、くすぐったり、背中を優しくたたいたりという触覚や平行覚(前提刺激)を使った遊びをする。「感覚運動遊び」を通じて子供は「快」の刺激の体験を繰り返しながら、体を動かす喜びや遊びの楽しさを知り、その後の発達が促されていく。

 

◉運動機能の発達を促す

1粗大運動(体の大きな動き)

ジャンプをする :「縄跳び」ジャンプが出来なかった為、後述の「ジャンピングバッグ」制作につながり、ジャンプができるようになった。

歩く・走るなどの移動能力

椅子取りゲーム」

投げる・蹴るなどの応用動作

:「ボール投げ」や「サッカー」ボールを投げる動作で的にむけてボールを投げる動作は、と身体運動の協調を促す手首だけでなく、肘・肩の屈曲と伸展の調節、更に足を踏み出し後方から腕を回して投げる一連の投球動作が必要(この力をつけようと、後述の「山手線ゲーム」の制作につながった)

◉微細運動

1 手指の巧緻性ー手指の細かい動き  巧緻動作ができるようにする。

引っ張る・押し付ける・はがす・結ぶ・ほどく・ページをめくるボタンやスナップのはめはずし・ファスナーの開閉など

 

2 目と手の協応

●手元を見て物を操作する。

人間には他の動物にはない「物を操作する手」、「道具を操作する手」という高度の運動機能が備わっている。物を操作するにはまず手元を良く見ることが必要となってくる。注意力も必要となってくる。

 

3 注視する力  物をじっと見つめる。

 

4 追視する力  物の動きを追う。

認知機能の発達を促すための力をつける

1 色・形の見分け 例:丸、三角、四角などの形の区別がわかる。

 

 ポインティング 例:「赤はどれですか?」尋ねられ、取ることができるか?

「どれ?」という言葉は、抽象的で自閉症の子供には、なかなか理解しづらい言葉です。また、色の「赤」という存在しない物は理解できません「消防自動車も赤だね?ポストも赤い色だね?」と話しかけながら、赤の色に近づけていくのです。普段の生活の中で、子供に知識として話しかけていることが必要です。そうすれば、思い出すことができるのです。

 

3 ネーミング  例:「これは何ですか?」と質問されて「赤」と言えるようになる。

「これ」「何」という言葉も抽象的で理解するのに時間がかかりました。

質問の仕方を、「りんごかな?、みかんかな?」というどちらか選択できる聞き方に変えることが必要です。

 

4 マッチング(同じものどうしを合わせること。「同じ」と言う言葉の意味がわかるか?

「同じ」という例を出題するのに、その都度、変わるので、パターン化して記憶してゆく自閉症には、理解するのに時間がかかるので、「物」を同じにしたり、「数」を同じにしたり、いろんな「同じ」があることを教える必要があります。

 

5 数の概念  「多い、少ない」がわかるか? 数の対応や足し算の理解につながる。

「多い」「少ない」という言葉はファジーな感覚のもので、難しいので、12個、18個、と具体的な数字を言って理解させた方が、理解することができます。

 

6 身体部分の名称を覚える

福笑いなど、目を開けたままでやらせても目や口の位置が変なところに行ってしまう。人間の体を書かせても手の位置などもわからないことがある。人形遊びなどを行いました。

 

7 事物の名称を覚える  色々なものの名称を覚えさせる。

例:「ひらがな探し」というゲームを行う。

身の回りにあるタンスの中身の衣類などをひらがなで明記してあげたり、街に出て歩きながら、商品を読んであげたりする。

 

8 前後・左右・上下の位置関係を覚える

 棚などを利用して右から何番目、下から何段目などと言って、その意味を理解させる。

手伝いをさせて「右の棚」からお皿を2枚出してなど指示する。

 

9 分類・比較を覚える

例:おもちゃを使ってなかまあつめ」をする。色別に分けさせたり、大小で分けさせたり、長短の比較をさせる。実物とドリルを平行してやり、理解させる。

 

10 想像力・記憶力を育てる  

 ボールや茶碗などを布で覆い、手探りで何かを当てる。

 

これらの力が学習の基礎となることを教えて頂きました。

これらの力をつける為の勉強が始まりました。