15.知識を与えるのではなく、「脳を発達」させる


簡単な文章も理解できるようになると、親も調子に乗って、学校から帰って来ると、毎日、決めたページ数だけ「市販のドリル」をやらせた時期がありました。冊、2冊とやり終え、親が喜んでいると、ある日、全くやろうとしなくなりました。息子の反抗を見て、そうだ、計算や文章問題ができることなんて、息子自ら望んではいない。ドリルができるのを見て、親が納得し得意になっているだけなのだ。親が知識を与えたところで、限りがある。親が死んでしまえば知識はそこでストップしてしまう。それより、自分で知識を得たい。と考えられるよう脳が発達すれば、きっと自分から知識を会得するに違いない。その為には脳を発達させるようにしていった方が良い!と考えるようになりました。息子の反抗から、知識を教えるのではなく、「自分で勉強しようとする教育」をしていかなければならないと教えられました。

 

 

●「買い物」を通じて様々な力を

4年生になると、大分落ち着き、訳もなく飛び出すこと無くなり、1人で外に出しても近所だったら家に帰って来られるようになったので、近所に買い物に行かせました。言葉は進展せず、つまったように発音した単語が出ては消えの状態です。やっと出た言葉は、声の大きさがコントロール出来ず、爆発的な大きな声で、子供達に笑わられ、声を出す事に臆病になっていました。それで、私との関係だけでなく、外でも爆発的な声であっても声を出す事を嫌がらないように、買い物に行かせることにしました。

1 声を出す事

2 指示されたものを暗記する

3 指示されたことを理解する、やり遂げる

4 お金の意味を理解させる

5 ちゃんと家に帰ってくる

買物一つとっても、色々と課題があり、息子にとって勉強になります。

近所の商店のおじさん、おばさんにお願いして協力をお願いし、毎日「食パン」を買いに行かせました。

「パン」と言って、お金を払うこと。あとで、お店の人に言えたかどうか電話で確認しました。

家族だけでなく他人にも言葉を発する練習を積み重ねました。最初は、1つのみの商品でしたが、できるように

ると次は2つを覚えられるか練習しました。次は、八百屋です。「ジャガイモ」1袋「玉ねぎ」1袋など、

2つの事を記憶できるかです。最初は、息子の発音が第三者にとってわかりづらいので「メモ」を持たせました。

息子は言えなかったかも知れませんが、言われたことを理解し、お金を払って持って帰ってくるという事と、

家族以外の人と接するコミュニケーションの勉強をしました。

 

●健常な子供が1回で理解できる事は、障がい児は50回必要

この言葉は、ある有名な統合教育を行っている小学校を開設した校長先生の言葉です。学校の説明会に行き、この校長先生の言葉があったから、今まで頑張ってくることができました。

数の理解に時間を要した時、50回まで、あと〇〇回あるという気持ちを持ち、イライラせずに子供を指導することができました。途中で諦めようと思った時も、今投げだしたら、今までの苦労が水の泡になってしまうという気持ちが先立ち頑張ることが出来ました。頑張ったおかげで、70代の今は、息子に助けられています。